この日、教室を除くと、年少さんが磁石を使って活動していました。
磁石を言えば、私たちの生活に溶けもんでいます。冷蔵庫にちょいと貼っていないおうちは極めて少ないのではないのでしょうか。年少さんのお友だちも毎日のように見ていることと思います。しかし、ここが落とし穴。当たり前のようにある物であるが故、「心を込めて注意深く見る」ことはほとんどありません。不思議で、面白くて、取り扱いが簡単なものは、身の回りでは、他にはないのに。
鉄にくっついていくのも面白いですが、その力を手に感じることができますし、少しは離しても力を感じますし、でも、磁石と相手の物の間には何もありませんし、紙を挟み込んでも物が動きますし、砂に突っ込めば、砂鉄のような正体がわからないものがくっついてきますし、豆釘やクリップにくっつければ団子になっったり数珠のようにつながったりしますし、紙の上の砂鉄を紙の下から操ったときの砂鉄の様子などは、ぼさぼさ頭が動いているようで、実におかしな光景です。
「君たちの回りには、こんなにもおかしなものが転がっているんだよ。」
と気づかせ、世界を広げてあげながら、「なんでだろう」という「知りたい」思いの種を蒔いてあげることが磁石を使って遊ばせることの狙いです。
どこで覚えるのか、「磁石」というと赤く(赤と青で)着色されたU字型磁石を思い浮かべるお子さんが多いので、幼稚園では、丸形や瓦型、四角や円筒形など様々な形の磁石を使って活動します。
いろいろなものに磁石を近づけさせながら、「磁石につくか、つかないか」という視点で目にしたものの特性をとらえる見方や考え方も培っていきます。