この日のすみれ組さんは、劇遊び。「3びきのやぎのがらがらどん」をみんなで聞いた後、それぞれが興味をもった登場人物になって、動作化表現に取り組みました。動作化ですので、小道具が子どもたちの想像を邪魔しないように、衣装や舞台設置は特に用いません。

 子どもたちに読み聞かせをするときに、いつも思うことは、子どもたちの心にはどのような景色が浮かんでいるのかということ。5歳児、4歳児、3歳児・・・。お兄さんお姉さんになるほど、言葉の力が育っていますが、3歳さんにいたっては、全くおとなの想像を超えていることと思います。

 みんなで一緒に取り組んでいる「がらがらどん」ですが、演じる一人ひとりの心にには、それぞれ異なる、自分だけの「がらがらどん」が映し出されていることと思いいます。

 子どもの時代には、みんな、自分だけのすばらしい「心のテレビ」をもっています。自身が感じたことや、理解したことを自由に思い描き、映し出せる自分だけのテレビです。「想像する」ことは、決して受動的なことではなく、極めて能動的なこと。どんな景色を映し出すかは、それぞれのお子さんです。

 今回取り組んだ「がらがらどん」。次に、このお話しに接するときは、また違った様子が、しかし、もっと、もっとはっきりと心のテレビに映ることと思います。

「心のテレビ」・・・昔お世話になった故木村良雄先生に教えていただきました。大切な言葉は、聞き流させず、意図的に想像させます。「どんな顔が」「どのように」等々、思い浮かんだことがどんどん子どもたちから発表されます。心を豊かにしながら、言葉への理解力や感受性が育ちます。