先に行った年長さんの実践は、お水を使った遊びです。

 水を使った活動でも、夏のプールの水遊びとは、少々趣を異にします。

 誰しも幼い頃に体験する入浴中の遊び。その中で目にする諸々の不思議な現象。ユラユラポコンと浮かび上がる大きな泡、上に上に浮かび上がろうと手を押してくるおもちゃ、しかし、だんだんに力強さを失って、一線を越えると今度はゆらゆらを沈み始めるおもちゃ、行ったりきたり動いてなかなか的に向かって沈まない様子など。お水との関りの中では、「よく見ると」不思議なことがたくさんあります。気づくとつい見入ってしまうことも。そのような身近な現象をあらためて体験し、不思議さや、面白さや、興味深さ、そして、日常、当たり前のように見落としがちな中にそのような事象があることに気づかせ、子どもたちの世界を広げてあげることがねらいです。

 「体験=学習」という考えもありますが、「行いや見聞きしたこと=体験」ではありません。注意・注目をもって意識化されないことは、忘れ去られてしまうからです。見聞きしたことや自らの行いは、一旦、意識化され、価値付けられ、再び掘り起こし可能なこととして無意識の中に収納されて、はじめて体験・経験・学びとなります。

 今回は、水がコップから盛り上がって、こぼれそうでこぼれない様子や、沈めようとしても押し返される感覚などを十分に体験できたようで、活動後の発表の場でもたくさんの発見が交換されていました。外での活動で、にぎやか活動でしたので、意図に反して「じっくり」とはなりませんでしたが。